65リットルよりも、笑って。





「なゆちゃん、斑鳩くんと何かあったの?」


「……べつに。なーんも」


「お祭りのあとから斑鳩くんも普段飲まないコーヒーを飲み始めたりね、ちょっと面白いことになってるよ」


「…………」



コーヒー飲めないんだ、あいつ。

飲みそうな顔しておいて意外だ。


それを「面白い」なんて言ってしまう美子ちゃんの溢れ出る先輩感。


ちなみにだけど、“美子ちゃん”とやっと呼べるようになった最近。

呼んでみてから結構気に入っていたりする。



「男ってほんっとさ、“したいから”とか適当な理由でキスとかハグとかできちゃうから最悪だよねー」


「…それって適当かな?」


「え?」


「したいから、って、したい相手にしてるってことじゃない?」


「…………」


「ほら、言葉どおり。“したいから”って、それはその人がその子としたかっただけじゃない?」


「…ごめん、間違えた。したかったからって、言ってた」


「ふふ。おなじ意味」