「いい大人が恥ずかしくないの!?性癖どうかしてるよ…!!」
「………最悪だ…」
「それはこっちのセリフ!!」
せめて気をつかってホームの端っこ。
正直に謝るなら許してあげるつもりだった。
だからわざわざ人の目が届かない場所に移動してあげた私には感謝してほしい。
「俺じゃない。こんなの立派な冤罪(えんざい)だろ」
「なっ、まだ言う…!?見苦しいよおじさ……、おにーさんだったけどさ!!」
わりと、思ったより、若かった。
ここに来て初めて見たお顔は……おじさんではない。
心底迷惑そうな顔をした男は「もういいか」と言って、この出来事を茶番に変えて私から逃げようとする。
「よくないよくない!私の脚っ、触ってたでしょ…!」
「触ってない興味ない。むしろ俺がいちばん嫌いなタイプだ」
「はー!?そんなこと聞いてないし…!!じゃなくてっ、素直に謝れって言ってんの!!」
「なぜやってもないことに対して謝る必要がある。謝るのはどう考えてもおまえのほうだろ」
「いやっ、いやいや!!じゃあ私の太もも触ったの誰なの…!?すっごい気持ち悪かったし…!」
「知るか」



