「……なゆ、」
「っ…、うぅ…っ」
「…なゆ」
光って、暗くなって、また光って。
満開の花ではなく、散って落ちて消えていく火の粉を追いかけて泣いている人間なんか私くらいだ。
そっと触れられた頬は、持ち上げられる。
「─────………」
暗闇のなか、点滅する光のなか、唇には同じものが重ねられていた。
驚いてまばたきをする度にぶわりと溢れて、すくい取るみたいに、それは優しく、溶けそうなほど柔らかく、確かに触れていた。
「…っ、」
それを医者が患者に対してするものだと言われてしまえば納得だし。
泣いてる女の子を泣き止ませるためにしたものだと説明されたなら、それもそれで否定はできそうにない。
「……なに……してる、の、」
こんな動揺、私らしくない。
キスなんか初めてじゃないでしょ。
もっと言うならそれ以上だって、何人かとしてきた。



