65リットルよりも、笑って。





「点滅の……青信号」



私はいつも、背中から急げ急げって常に押されている。


はやく渡ってしまわないと赤信号に変わるよって、さっさと追いつかないと轢かれちゃうんだよって。


ゆっくり落ち着いて渡れもしない横断歩道。
迫りくる死からは、いつだって逃げられない。

だから追いつくのに必死なんだよ。



「たいとくん……、長すぎる、」



初めてだった。
男の子と一緒にお祭りに来たのなんか。

そんなこともしない付き合いしかできてなかったからさ、私。


名前を呼んだだけで顔を赤くされるとか、私のために服を買ってくれたとか、そんなの嬉しいじゃん。


それがね、もう最後なんだって、あれもこれも全部、最後なんだって思うと……。



「この時間っ、長すぎるって…っ」



いつ消えるか分からない点滅の青信号が、余命というあやふやな時間を続かせる。

いつまで一緒にいられるだろう。
いつまで笑っていられるんだろう。


常に、毎日、こんなことを考える。


明日かもしれない、来週かもしれない、そんなふうに急かされて生きる毎日が。

だったら今日でいい、なんて思ってしまうときがある。