なんっにも分かってない。
女の子心、もっと勉強したほうがいーよ。
「みんながいる病院で食べたって意味ないじゃんっ!ふたりだから意味があるのに…!花火だってそーだよバカ!!」
「…………」
どれだけ今日が楽しみだったことか。
数日前から服を選んで、メイクはどんな感じにしようかなって悩んで悩んで。
「っ、帰ればいーよ。私ひとりで見てくから。帰りたかったら帰ればいーじゃん」
病院にはくるみさんもいるもんね。
私なんかより彼女と見たほうが楽しいのかもね。
担当医だから気をつかってくれたのだとしたら、私だって佐藤先生でも良かったって嫌味を返してやる。
「…俺だって、それじゃ意味がない」
帰る素振りは帳消し。
どっかり座って、屋台で購入した食べ物を取り出した先生。
「……ならせめてそれ、食べ終わるまでくらいは…いいでしょ」
「…花火が終わるまで」
悪かった、と。
ようやく理解したのか、小さくつぶやかれる。



