65リットルよりも、笑って。





「…………」



ちゃっかり自分のジャムはきちんと買ってるあたり、私も私だと思う。

だってこれがないとおばさんのレパートリー寂しい朝食が盛り上がらないんだもん。



「うっそ、最悪…」



駅の改札が見えてくるとちょうど帰宅ラッシュにやられたらしく、またもや足取りは重くなる。

16時~18時は学生が多く、それ以降になるとサラリーマンが増えてくる。


ただいま時刻は18時10分。


帰りは女性専用車両はない電車、とにかくぎゅうぎゅう詰めの車内との戦い。



(っ…、……このやろう、)



私のスカートから覗いた太ももにどさくさに紛れながら触れてくる、背後の確信犯。

こちらはお使い帰りでシャンプーとジャムをぶら下げて両腕が塞がれてるからって…。



「もう無理っ、キモい…!!」


「…は?」


「降りてっ!!こっんのゴミクズ…!!」



たくさんある手のなかから、これだろうと思ったひとつを掴む。


天国のような停車駅。

流れ込むように出てゆく人だかりに紛れながらも、しっかりと掴んで一緒に出た。