65リットルよりも、笑って。





なにそれかわいい。

やめてよ、女の子ってそーいう何気ない頑張りとかにキュンってしやすいんだから。


平年より温かい気候のなか、秋ということもあって羽織られたジャケット。


今日のために準備するだなんて私と一緒じゃん。

私もおばさんから服を届けてもらったり、久しぶりにメイクしたりね。



「このへん空いてる!花火って19時からだっけ?」



開いたスマホ。

時間を確認するより先に、同じように隣から覗いてきた同行者は気づいた。



「それ、待ち受けにしたのか」


「…うん。なんか家族みたいじゃん。……なんてね、うそうそ冗談。いい写真だから待ち受けにしてるだけ」



ヒーローのポーズをした蓮夜と私、それから今も隣にいる斑鳩先生。

蓮夜を真ん中に挟むようにして、恥ずかしさを捨てきった私と、腕の上がり具合がまだまだなっていない先生。


ほんとうは、蓮夜を意地でも忘れたくない執念もある。