なにそれかわいい。
やめてよ、女の子ってそーいう何気ない頑張りとかにキュンってしやすいんだから。
平年より温かい気候のなか、秋ということもあって羽織られたジャケット。
今日のために準備するだなんて私と一緒じゃん。
私もおばさんから服を届けてもらったり、久しぶりにメイクしたりね。
「このへん空いてる!花火って19時からだっけ?」
開いたスマホ。
時間を確認するより先に、同じように隣から覗いてきた同行者は気づいた。
「それ、待ち受けにしたのか」
「…うん。なんか家族みたいじゃん。……なんてね、うそうそ冗談。いい写真だから待ち受けにしてるだけ」
ヒーローのポーズをした蓮夜と私、それから今も隣にいる斑鳩先生。
蓮夜を真ん中に挟むようにして、恥ずかしさを捨てきった私と、腕の上がり具合がまだまだなっていない先生。
ほんとうは、蓮夜を意地でも忘れたくない執念もある。



