65リットルよりも、笑って。





(耳まで真っ赤だし…。こっちが調子狂うっつーの)



たかが名前を呼んだだけでそんなに…?とか思っている私も、なんだか心なしか熱くなってきた。



「ねえ、そっちのほう花火見えそうじゃない?けっこう食べ物も買ったし、向こうに座って花火見よーよ」


「だな。俺も言おうと思ってた」


「…そー?」



珍しーね。
私たちの意見が一致だなんて。

たぶんだけど、会ったばかりの頃の印象はお互い最悪のはずだから。


毎日、だもんね。

毎日顔を合わせて、毎日声を聞いている。



「せんせ…、泰斗くんって、普段いつもそーいう服着てるの?」



落ち着いた場所に移動するなか、ずっと手は繋いだまま。

はぐれないようにとか、万が一なにかあったときのためにとか、理由はたぶんそれ。



「……変、か」


「いや?似合うなって思ったよ?」


「今日のために…買った」


「…………」