65リットルよりも、笑って。





端まで寄った私に詰めてくる、医者というよりは意地悪な男のひと。


どうしよ…。

私をからかってるのかそうじゃないのか、思ったより判断できないかも……。



「だめ、来て。…僕がきみに会いたいから」



目を逸らされないように覗きこんでは、とんだセリフを吐いてきた。


乙女ゲーム……?
ここって、乙女ゲームの世界……?

アイドルじゃなくて相手は医者?


そんな変更ってアリなの?


………ん?ちょっと待てよ。



「それ…、私が別ルートに走りそうになったときライバルキャラが言ってきたセリフじゃん」


「……あ。バレちゃった」


「ちょっ!!」



推しの攻略がなかなか難しくって、こうなったら他にいってみようかな?なーんて邪気が私の指を動かして。

画面内ふたりきりの密室にて、その別キャラが今みたいなセリフを言ってきた。


で、ちょうど私がそれプレイしてるの隣から見てなかったっけ佐藤先生は。