65リットルよりも、笑って。





「お客様、なにかお探しでしょうか…?」



放課後のドラッグストアにて。

おなじ場所を行ったり来たりを繰り返していた私に、とうとう店員さんが率先的に声をかけてくれてしまった。



「先ほどからずっとこちらのコーナーで悩んでおられるようでしたので…」


「あ、すみません。えっと、ノンシリコンタイプってのは知っているんですが……、親戚のお姉ちゃんがいつもどんなシャンプーを使ってたのかをど忘れしちゃって…」


「それは……はは、困りましたね」



困りましたねえ~と、愛想よく返しておく。

春海お姉ちゃんにメッセージを送ろうかとも考えたけど、この時間はバイト中でいつも返信ナシ。



「……春海お姉ちゃん怒るかな」



結局、店員さんオススメというシャンプーを買ってしまった。


まあ同じノンシリコンだし。

春海お姉ちゃんがいつも買ってるのより値段も高いし、若者に人気とか店員さんも言ってたし。


よしよし、責められた際の免罪符は揃ったぞ。