「お客様、なにかお探しでしょうか…?」
放課後のドラッグストアにて。
おなじ場所を行ったり来たりを繰り返していた私に、とうとう店員さんが率先的に声をかけてくれてしまった。
「先ほどからずっとこちらのコーナーで悩んでおられるようでしたので…」
「あ、すみません。えっと、ノンシリコンタイプってのは知っているんですが……、親戚のお姉ちゃんがいつもどんなシャンプーを使ってたのかをど忘れしちゃって…」
「それは……はは、困りましたね」
困りましたねえ~と、愛想よく返しておく。
春海お姉ちゃんにメッセージを送ろうかとも考えたけど、この時間はバイト中でいつも返信ナシ。
「……春海お姉ちゃん怒るかな」
結局、店員さんオススメというシャンプーを買ってしまった。
まあ同じノンシリコンだし。
春海お姉ちゃんがいつも買ってるのより値段も高いし、若者に人気とか店員さんも言ってたし。
よしよし、責められた際の免罪符は揃ったぞ。



