「……プリン、食べよ？」

「……デートあるって言ったよね？」

「結永は嘘つきだね。デートなんかないでしょ」

「……知らない」


ぷいっとそっぽを巻くと、腕を引かれる。


「ねぇ結永」

「な、なに……？」

「今ここで君にキスしたら、アイツはどう思うのかな」

「アイツ？」


考える暇もない中私たちは……キスをして、しまった。


いや、してしまったじゃない、されてしまっただ。


ふと横目で遠くの方を見ると、なぜだかまだいる悠介くん。


「……う、そ……」


ポツリと口から出たそんな言葉は、次に理人くんに抱きしめられて消えてしまった。


「可愛いね、抱きしめて欲しいだなんてどこで覚えたの？」

「……はっ……？」

「ゆ、え？」

「ゆ、悠介くんこれは違くて……！！」

「……もういい、やっぱりお前らできてたんだな、これから一切関わらないでくれ」


どうしてだか近づいてきた悠介くんは、私のマフラーを引っ張って奪い去って行った。



……ねぇ、マフラー奪う？普通。


絶対そこじゃないことぐらいわかっているけれど、ムカついたので考えてしまった。