「行こう悠介くん!」

「お、おお」


悠介くんの手を取って、歩き出した。




私は小学生の頃……3回ぐらい、理人くんに告白をしている。


でも、3回とも……。



「え、嘘でしょ?僕のこと好きになっちゃったの?」


「何それ、変な人だね」


「本当に僕でいいの?絶対幸せにならないよ」


と、フラれてしまっているのだ。



だから、新しい恋をしようと中学生になって彼氏を作ったものの、やっぱり理人くんのことが忘れられなくて別れてしまった。


けど、高校生になって悠介くんと出会い、少しずつ理人くんのことは忘れてきている……はずが、ご近所なので毎日会うし家族ぐるみで遊ぶしと、忘れられる兆しは見えなかった。



もう、理人くんのことは好きにならないと誓った、のに……。




今日も授業が終わる。あとは帰るだけと言う時、理人くんが廊下にいるのに気がついた。


女の子たちはもちろんキャーキャー騒いでいる。そりゃ、これだけイケメンがいたらそうなっちゃうよね。