「ゆ、結永……困ったよ、この人が急に飛びかかってきて……」

「え、えええ!?そんな、大丈夫だった!?」

「うん、護身術でどうにか。だけど反撃したら少し気絶してしまったみたいだよ」

「そ、そっか、とりあえず理人くんが無事でよかった……!」


はぁ、と胸を撫で下ろした結永は言うまでもなく尊い。


「この人は使用人に片付けさせるよ。僕たちは行こうか」

「う、うん!」



結永の小さくて可愛らしい手をそっと握りしめて、家へと向かった。


彼女が狙われるのは、決して初めてではない。


なんなら小学生ぐらいの頃から、ずっと俺が守り続けているのだ。


“とある理由”によって。


これからも守ることは変わらない。そのまま自分に依存して一生俺だけを見ていてくれたらいいだなんてことは考えたこともないが、この優しい笑顔を守るために俺はいると考えている。