結永をそっと抱きしめた。


ゾクゾクと身体が震える。

ああ、やっと僕のものになった。


これが幸福感というやつか?それとも、この子を離したくないという独占欲なのか……。


どちらにせよ、もう愛しい結永を離さない。


「ねぇ結永、今日は一緒に勉強しない?」

「あっ、ごめん……さすがにプリンもいただいてずっといるの申し訳ないから帰るよ」

「……そう。なら仕方がないね。わかったよ」


ポンポンと優しく頭を撫でる。小さくて華奢な身体。

この結永を、守り抜かなければいけないんだ俺は。



「1人で戻れる?」

「うんっ、大丈夫……だけど」

「ん?」

「せ、せっかく長年の片想いが叶ったから、一緒にいて欲しい……」

「……何それ、可愛い。結永だめだよ、僕以外の前でそんなこと言ったら」

「えっ……!い、言わないよ!もう理人くん以外と付き合う予定ないから……!!」



この時俺の心は全てを掴まれて、蝕まれた。


そして黒い感情がドロドロと滲み出る。


あああ……ほんと可愛いんだから。


結婚したい好きだ今すぐ籍入れよう。


脳内でどれだけそれを考えても無駄なことぐらいわかっているのに、ついつい考えてしまう。


「僕もだよ、じゃあ永遠によろしくね」

「……!うん!」

「ふふっ、手繋いで家まで送ろっか」


といっても隣だけど。


結永と僕は小さい頃からの仲なので、部屋も空間を開けて隣同士だ。


カーテンをかけてなければ丸見えだったので少し使いづらかったが結永の様子もよく確認できてよかった。