「え、ま、まさか気づいてないの!?」

「き、気づいてない……?」

「母さん。何話してるの?」

「り、理人!な、なんでもないわ。私用事思い出しちゃったからあとは2人でごゆっくり〜」

「えええ……!?」


去って行ってしまった幸恵さんに焦っていながらも、理人くんと2人の空間はなぜだか気まずい。


そして私はふと思い出した。


私……理人くんにキスされたのでは、と……!



「……ねぇ、理人くん」

「ん?」

「なんでキスしたの?二次元の彼女はどうしたの?」

「……は、い?」


何を言ってるんだ、と言わんばかりの顔で見つめられる。


あ、れ?私なんか変なこと言ったかな……?


「待って、僕には二次元の彼女なんかいないよ……?」

「そ、そうなの!?」

「え、ちょっと待ってよ」

「なぁに……?」

「僕の彼女って、結永じゃなかったの?」


ひどく焦る理人くんに、
ポカンとしてしまった。だって、私フラれてるし。



「い、いやいやっ……!!私のことなんか、とっくにフッてるよね……!?」

「いや、こんなに可愛い結永フるとかありえないんだけど」