粉々になった飴を嚥下して胃に送り込み、再度口腔が空になると、今度は無意識のうちに舌舐めずりをしてしまった。そうしてまた、唾を飲む。篠塚のことを思うと、どうしようもなく唾液が溢れてしまう。喰いたい。喰いたい。またしても食欲が芽生え始めてしまった。
「食ったか、食ったな、しかもさらっと二個食っただろ。食ったなら休め。とりあえず寝ろ」
睡眠舐めんなよ。どうしても俺を休ませたいらしい紘は、半ギレのような口調で行動を急かした。頭痛も吐き気も、体感では落ち着きつつあると思っているのだが、紘の目からしたらまだ顔色が優れないのかもしれない。そんなに酷いのかと片手で頬に触れてみたものの、変わったことは何も感じられなかった。
言うことを聞かないと襲う。それがまだ時効になっていないのなら、紘の要求に従わないのは危険だ。冗談だとは思うが、冗談でも御免だ。俺は襲われるようなタイプではない。どちらかと言えば襲う方だ。
反発する要素はそこかと自分で突っ込みを入れながらも、休めるのなら休んでおこうと紘に促されるがまま、ベッドに潜り込むことを決めた。養護教諭の許可を得てはいないが、その辺りのことは紘がどうにかしてくれるだろう。謎の信頼があった。
カバンを枕元に置き、大人しくシューズを脱いで布団を剥ぐ。生徒を含む家族が殺されるという大惨事が起きているにも拘らず、自分一人だけ横になって身体を休めようとしていることに罪悪感のようなものを覚えてしまったが、俺のこれは仮眠を取るだけのことだ、と到底誰にも通用しないような適当な理由で言い聞かせて。正当化して。犠牲になった人たちに対して思慮の欠ける行為をする薄情な俺は、紘の視線を浴びながら真っ白な布団の中に移動した。
「食ったか、食ったな、しかもさらっと二個食っただろ。食ったなら休め。とりあえず寝ろ」
睡眠舐めんなよ。どうしても俺を休ませたいらしい紘は、半ギレのような口調で行動を急かした。頭痛も吐き気も、体感では落ち着きつつあると思っているのだが、紘の目からしたらまだ顔色が優れないのかもしれない。そんなに酷いのかと片手で頬に触れてみたものの、変わったことは何も感じられなかった。
言うことを聞かないと襲う。それがまだ時効になっていないのなら、紘の要求に従わないのは危険だ。冗談だとは思うが、冗談でも御免だ。俺は襲われるようなタイプではない。どちらかと言えば襲う方だ。
反発する要素はそこかと自分で突っ込みを入れながらも、休めるのなら休んでおこうと紘に促されるがまま、ベッドに潜り込むことを決めた。養護教諭の許可を得てはいないが、その辺りのことは紘がどうにかしてくれるだろう。謎の信頼があった。
カバンを枕元に置き、大人しくシューズを脱いで布団を剥ぐ。生徒を含む家族が殺されるという大惨事が起きているにも拘らず、自分一人だけ横になって身体を休めようとしていることに罪悪感のようなものを覚えてしまったが、俺のこれは仮眠を取るだけのことだ、と到底誰にも通用しないような適当な理由で言い聞かせて。正当化して。犠牲になった人たちに対して思慮の欠ける行為をする薄情な俺は、紘の視線を浴びながら真っ白な布団の中に移動した。



