心が乱れている篠塚を一瞥してから、近くまで辿り着いていた飲食店の出入り口へと俺は足を向けた。相変わらず冷めてんな、ツンツンしてんな、もっと熱く柔らかくなれよな、と一丁前に助言を下してくる紘が左隣についてくる。
少しは笑顔を見せてみろよ、ほら。笑えるようなことは何もない。うわ、人生つまんなそう。別に普通。それがつまんなそう、こんなに面白い奴が瞬の隣にいるのに。それを自分で言うのはどうかしてる。はは、確かに、瞬は良い突っ込みをするな。どこが良いのか俺には分からない。そこが良いんだよ、だから、そのままの、クールなのに、クールだけど、なんか俺の壺に嵌まる面白い瞬でいてな。馬鹿にされてる気がする。馬鹿になんかしてねぇよ、俺、めちゃくちゃ瞬のこと好きだから。
勿論、親友としてな。歯を見せて笑った紘は、先陣を切って出入り口へと駆け、扉を開けて中に入って行った。店内で客の出入りを知らせるチャイムが鳴るのを耳にする。紘の来店を受け入れた扉が閉まっていく。
俺は遅れてその取っ手を掴み、後ろを振り返りつつ扉を開け放った。静かに後ろをついてきていた篠塚が、未だ顔を熱らせたままびっくりしたように立ち止まったのを見て、どうぞ、と改まった口調で先を促す。篠塚は戸惑いながらも、ありがとう、と会釈をし、俺の前を通って店内へ足を踏み入れた。その際、鼻腔を掠めた篠塚の香りに唾を飲んでしまった俺は、咄嗟に別のことを考えて気を紛らわせた。
この扉は意外と重い。なるべく衝撃を与えないように注意しながら扉を閉めた。一緒に欲求の蓋も無理やり閉めた。きつく閉めることは困難な状態となってしまっているが、それでもなんとか閉められたことに、小さく息を吐いた。
少しは笑顔を見せてみろよ、ほら。笑えるようなことは何もない。うわ、人生つまんなそう。別に普通。それがつまんなそう、こんなに面白い奴が瞬の隣にいるのに。それを自分で言うのはどうかしてる。はは、確かに、瞬は良い突っ込みをするな。どこが良いのか俺には分からない。そこが良いんだよ、だから、そのままの、クールなのに、クールだけど、なんか俺の壺に嵌まる面白い瞬でいてな。馬鹿にされてる気がする。馬鹿になんかしてねぇよ、俺、めちゃくちゃ瞬のこと好きだから。
勿論、親友としてな。歯を見せて笑った紘は、先陣を切って出入り口へと駆け、扉を開けて中に入って行った。店内で客の出入りを知らせるチャイムが鳴るのを耳にする。紘の来店を受け入れた扉が閉まっていく。
俺は遅れてその取っ手を掴み、後ろを振り返りつつ扉を開け放った。静かに後ろをついてきていた篠塚が、未だ顔を熱らせたままびっくりしたように立ち止まったのを見て、どうぞ、と改まった口調で先を促す。篠塚は戸惑いながらも、ありがとう、と会釈をし、俺の前を通って店内へ足を踏み入れた。その際、鼻腔を掠めた篠塚の香りに唾を飲んでしまった俺は、咄嗟に別のことを考えて気を紛らわせた。
この扉は意外と重い。なるべく衝撃を与えないように注意しながら扉を閉めた。一緒に欲求の蓋も無理やり閉めた。きつく閉めることは困難な状態となってしまっているが、それでもなんとか閉められたことに、小さく息を吐いた。



