「渕野くんに、自分の身体のどこかを触ってもらえるとは思わなかったし、性癖に関する質問に答えてくれるとも思ってなかったから、凄く嬉しい」
「……やっぱり、変わってる」
「変わってるかな」
「変わってるだろ。触られるのが嬉しいとか特に」
「……本当に、嬉しいんだよ。でも、触られて嬉しがるような変わり者だから、俺は渕野くんに興味があるのかも」
「それは俺も変わってるって意味に聞こえる」
「あっ……、確かに……」
ごめん、俺、失言ばっかりしてる、一回口閉じるね。反省するように篠塚は視線を下げ、宣言通りに唇を引き結んだ。そんなことしなくてもと下手に気を遣いそうになったが、そこから続けられる言葉が俺の頭に浮かばず、結局、今は好きにさせておこうとコミュニケーションを図ることから逃げた。
喋るのが得意ではない俺では篠塚の懐に入り込むことはできないだろうが、彼と会話のキャッチボールを何往復かできたことは及第点なのではないか。短いやりとりで、彼が変わった感性の持ち主であることも知れたのだ。その感性が、俺の隠し事を明かした時に、吉と出るか、凶と出るか。
篠塚にどんなリアクションをされても、それが例えマイナスの意味であっても、俺は受け入れるつもりだった。寧ろその方がいいとすら未だに思っていた。本当だったら、お互いに関わるような相手ではないし、関わらない方がいい相手だ。フォークとケーキの間柄になってしまった以上。俺がケーキを喰いたくなってしまう以上。
「二人とも、俺の目の前でいちゃいちゃしてんなよ」
いちゃいちゃいちゃいちゃ。俺と篠塚の間に割り込むように声を挟んだ紘が、いちゃいちゃ、と強調するように繰り返した。いちゃいちゃと揶揄われ、赤面する篠塚が慌て始めるのを、恥ずかしがり屋で緊張しい性格は大変だな、などと半ば同情しながら眺めて。いちゃいちゃはしてない、と俺と篠塚の関係に興味津々の紘を窘めた。何でもかんでもすぐ色恋に結びつけられては困る。
「……やっぱり、変わってる」
「変わってるかな」
「変わってるだろ。触られるのが嬉しいとか特に」
「……本当に、嬉しいんだよ。でも、触られて嬉しがるような変わり者だから、俺は渕野くんに興味があるのかも」
「それは俺も変わってるって意味に聞こえる」
「あっ……、確かに……」
ごめん、俺、失言ばっかりしてる、一回口閉じるね。反省するように篠塚は視線を下げ、宣言通りに唇を引き結んだ。そんなことしなくてもと下手に気を遣いそうになったが、そこから続けられる言葉が俺の頭に浮かばず、結局、今は好きにさせておこうとコミュニケーションを図ることから逃げた。
喋るのが得意ではない俺では篠塚の懐に入り込むことはできないだろうが、彼と会話のキャッチボールを何往復かできたことは及第点なのではないか。短いやりとりで、彼が変わった感性の持ち主であることも知れたのだ。その感性が、俺の隠し事を明かした時に、吉と出るか、凶と出るか。
篠塚にどんなリアクションをされても、それが例えマイナスの意味であっても、俺は受け入れるつもりだった。寧ろその方がいいとすら未だに思っていた。本当だったら、お互いに関わるような相手ではないし、関わらない方がいい相手だ。フォークとケーキの間柄になってしまった以上。俺がケーキを喰いたくなってしまう以上。
「二人とも、俺の目の前でいちゃいちゃしてんなよ」
いちゃいちゃいちゃいちゃ。俺と篠塚の間に割り込むように声を挟んだ紘が、いちゃいちゃ、と強調するように繰り返した。いちゃいちゃと揶揄われ、赤面する篠塚が慌て始めるのを、恥ずかしがり屋で緊張しい性格は大変だな、などと半ば同情しながら眺めて。いちゃいちゃはしてない、と俺と篠塚の関係に興味津々の紘を窘めた。何でもかんでもすぐ色恋に結びつけられては困る。



