よく共に行動しているからといって、俺が紘の何もかもを知っているわけではなかった。寧ろまだまた知らないことの方が多いはずだ。俺と一緒にいる時の紘しか、俺は知らない。紘が人によって態度を変えるとは思えないが、俺は、俺が見る紘の姿しか知らなかった。無論、紘に限らず、他のクラスメートも、今現在関心を寄せているケーキの彼も。俺の目に入っていない姿までは知り得ない。
この目で見たこと、感じことが全てで、だからこそ、彼がそうだとは言い切れないと言っている。主観になってしまうが、それは、俺が知っている彼の情報を掻き集めて纏めた上での発言で、それが、俺が彼に抱いている印象だと言えた。
そのケーキの彼と俺は、あまり話すような仲ではない。彼は柔和で大人しく、素直で真面目な性格だ。紘の言葉をそのまま丸ごと借りて言えば、言葉をオブラートに包めない口の悪いサドだという俺に、そういう控えめな性格の人が自ら関わろうとするはずもないだろう。いの一番に、関わりたくない、関わるべきではないと思うのではないか。
実際そうだった。彼は俺のことを意識的に見ないようにしている。ふとした時に目が合ったら、何も見てませんとでもいうようにすぐに顔を逸らすのだ。
ちょっとした事故で彼と接触があった時も、彼はどことなく怯えている様子だった。俺にはそう見えた。俺にも彼にも怪我はなかったため、大事にはなっていないが、その接触で、彼がケーキかもしれないことを強く実感した。その時には既に、俺の味覚は死んでいた。
決して興味を持つような相手ではなかったが、今後もただのクラスメートなだけのはずだったが、俺がフォークとなり、彼がケーキであるかもしれないことを知ってしまってからは、どうにも気になって仕方がなく、まだ制御できる位置で芽生える衝動にそわそわとして落ち着かず、そのおかげで、そのせいで、気づいてしまった事柄だった。
この目で見たこと、感じことが全てで、だからこそ、彼がそうだとは言い切れないと言っている。主観になってしまうが、それは、俺が知っている彼の情報を掻き集めて纏めた上での発言で、それが、俺が彼に抱いている印象だと言えた。
そのケーキの彼と俺は、あまり話すような仲ではない。彼は柔和で大人しく、素直で真面目な性格だ。紘の言葉をそのまま丸ごと借りて言えば、言葉をオブラートに包めない口の悪いサドだという俺に、そういう控えめな性格の人が自ら関わろうとするはずもないだろう。いの一番に、関わりたくない、関わるべきではないと思うのではないか。
実際そうだった。彼は俺のことを意識的に見ないようにしている。ふとした時に目が合ったら、何も見てませんとでもいうようにすぐに顔を逸らすのだ。
ちょっとした事故で彼と接触があった時も、彼はどことなく怯えている様子だった。俺にはそう見えた。俺にも彼にも怪我はなかったため、大事にはなっていないが、その接触で、彼がケーキかもしれないことを強く実感した。その時には既に、俺の味覚は死んでいた。
決して興味を持つような相手ではなかったが、今後もただのクラスメートなだけのはずだったが、俺がフォークとなり、彼がケーキであるかもしれないことを知ってしまってからは、どうにも気になって仕方がなく、まだ制御できる位置で芽生える衝動にそわそわとして落ち着かず、そのおかげで、そのせいで、気づいてしまった事柄だった。



