篠塚の後頭部に触れていた手が、いつの間にか彼の髪をくしゃくしゃに握り締めていた。何をされても声を押し殺して我慢し、受け入れようとする篠塚に乱暴な方法で首を晒させた俺は、躊躇なくその首筋に喰らいついた。自分の腕を思い切り噛んだように、そこよりも薄い皮膚に歯を突き立てる。細く喘ぐ篠塚が、俺の服を強く掴んでくる。噛まれて痛がっていることは承知していても、やめるつもりはなかった。手放すつもりもなかった。
人を襲う猛獣のように肉を噛み千切ろうとする俺にしがみつく篠塚の呼吸が、酷く荒い。鼻を啜るような音もする。激痛に涙を流してしまっているのだろうか。自分から挑発しておいて、いざ喰われ始めると泣き出すその様子に、俺は扇動されてしまった。
更に歯を食い込ませ、口内にゆっくりと染み渡っていく血液に急かされるようにして、俺は篠塚の首の肉を噛み千切った。噛み千切ることに成功した。血に塗れた肉片を、同じく血に塗れた口内で咀嚼する。人肉を噛み千切って喰っていることに、俺は何の違和感も持たなかった。罪悪感すらなかった。あるのは、癖になるほどの美味しさだけだった。
肉を飲み込み、首から流れる血を、水分を補給するように飲んだ。そしてまた、肉を噛んだ。篠塚の手が、俺の服に深い皺をつける。静かに悶える篠塚の皮膚を再度破り、噛み潰し、広がった傷口を舐めて。掬うように血を飲んだ。病みつきになる味だった。
噛んでは飲み、噛んでは飲み、着実に篠塚の体積を減らしながら、彼の欠片を体内に取り込んでいく。どこをどう舐めても噛んでも飲んでも、篠塚は甘美な人間だった。確実に、ケーキだった。そのケーキの肉を噛み千切ったことで溢れ続ける血液を、俺はいつまでも舐め続けた。飲み続けた。
人を襲う猛獣のように肉を噛み千切ろうとする俺にしがみつく篠塚の呼吸が、酷く荒い。鼻を啜るような音もする。激痛に涙を流してしまっているのだろうか。自分から挑発しておいて、いざ喰われ始めると泣き出すその様子に、俺は扇動されてしまった。
更に歯を食い込ませ、口内にゆっくりと染み渡っていく血液に急かされるようにして、俺は篠塚の首の肉を噛み千切った。噛み千切ることに成功した。血に塗れた肉片を、同じく血に塗れた口内で咀嚼する。人肉を噛み千切って喰っていることに、俺は何の違和感も持たなかった。罪悪感すらなかった。あるのは、癖になるほどの美味しさだけだった。
肉を飲み込み、首から流れる血を、水分を補給するように飲んだ。そしてまた、肉を噛んだ。篠塚の手が、俺の服に深い皺をつける。静かに悶える篠塚の皮膚を再度破り、噛み潰し、広がった傷口を舐めて。掬うように血を飲んだ。病みつきになる味だった。
噛んでは飲み、噛んでは飲み、着実に篠塚の体積を減らしながら、彼の欠片を体内に取り込んでいく。どこをどう舐めても噛んでも飲んでも、篠塚は甘美な人間だった。確実に、ケーキだった。そのケーキの肉を噛み千切ったことで溢れ続ける血液を、俺はいつまでも舐め続けた。飲み続けた。



