決意が揺らぐ前に、だろうか、一気に吐露する篠塚は、無自覚に俺を煽るだけ煽ってその影を薄くした。出て行こうとしているのだ。話したいことを話して、言いたいことを言って、だから、宣言通り、大人しく帰ろうとしているのだ。
ふざけるな、とまず一番に思った。思ってしまった。ふざけるな。俺がフォークだと気づきながら、自分がケーキだと気づきながら、我慢しなくていいだとか、食べていいだとか、噛み砕いていいだとか、俺のことが好きだとか、ふざけるな。何のために堪えているのか、何のために苦しんでいるのか、分からなくなる。篠塚は正しい行動をしているのに、俺から離れようとしてくれているのに、それを俺は望んでいたのに、今すぐ引き止めて喰ってしまいたくなる。挑発した篠塚が悪いのだと全ての責任を彼に押し付けて、喰ってしまいたくなる。
普段なら乗らないような挑発に乗ってしまいそうになりながらも、俺はなけなしの理性で堪えた。息が苦しい。胸が苦しい。頭が痛い。目の前が歪む。篠塚を丸呑みしたくなるほどの異常な食欲がなくならない。
飴を貪る。何個も何個も、唾液と一緒に飲むように食べる。足りない。足りない。こんなのものでは足りない。篠塚を。篠塚を貪りたい。俺は篠塚を貪りたい。喰って殺すか、殺して喰うかしている、あの殺人鬼のように。捕食したい。
ぐらぐらする意識の中、本能に侵食されそうになるのを堪え忍びながらも、俺は唇を舐めていた。もう篠塚はいないはずだ。聴覚が衰えてしまっているみたいに音が遠くて、保健室の扉の開閉音すら聞こえなかったが、篠塚は出て行ったはずだ。後は落ち着くまで、俺が我慢すればいいだけだ。
気を紛らわせるようにして、無我夢中になって飴を食べ続けていれば、冷静になるよりも先にそれがなくなった。食べればなくなる。当然だった。いつまでもあるものではない。飴にはもう、頼れない。自分でどうにかするしかない。今までで一番酷い欲求を、自分で、どうにか、しなければ。どうにか。どうにか。
ふざけるな、とまず一番に思った。思ってしまった。ふざけるな。俺がフォークだと気づきながら、自分がケーキだと気づきながら、我慢しなくていいだとか、食べていいだとか、噛み砕いていいだとか、俺のことが好きだとか、ふざけるな。何のために堪えているのか、何のために苦しんでいるのか、分からなくなる。篠塚は正しい行動をしているのに、俺から離れようとしてくれているのに、それを俺は望んでいたのに、今すぐ引き止めて喰ってしまいたくなる。挑発した篠塚が悪いのだと全ての責任を彼に押し付けて、喰ってしまいたくなる。
普段なら乗らないような挑発に乗ってしまいそうになりながらも、俺はなけなしの理性で堪えた。息が苦しい。胸が苦しい。頭が痛い。目の前が歪む。篠塚を丸呑みしたくなるほどの異常な食欲がなくならない。
飴を貪る。何個も何個も、唾液と一緒に飲むように食べる。足りない。足りない。こんなのものでは足りない。篠塚を。篠塚を貪りたい。俺は篠塚を貪りたい。喰って殺すか、殺して喰うかしている、あの殺人鬼のように。捕食したい。
ぐらぐらする意識の中、本能に侵食されそうになるのを堪え忍びながらも、俺は唇を舐めていた。もう篠塚はいないはずだ。聴覚が衰えてしまっているみたいに音が遠くて、保健室の扉の開閉音すら聞こえなかったが、篠塚は出て行ったはずだ。後は落ち着くまで、俺が我慢すればいいだけだ。
気を紛らわせるようにして、無我夢中になって飴を食べ続けていれば、冷静になるよりも先にそれがなくなった。食べればなくなる。当然だった。いつまでもあるものではない。飴にはもう、頼れない。自分でどうにかするしかない。今までで一番酷い欲求を、自分で、どうにか、しなければ。どうにか。どうにか。



