俺、瞬のそういう、オブラートに包めないところ、結構好きなんだよな。棘だらけだけど、その分嘘がなくて信じられるんだわ。一人愉快そうに笑いながら紘はそう付加し、何が面白いのか分からない俺をまた置いてけぼりにする。女子のこときもいとか、酷すぎて逆に清々しいし面白すぎる。
どことなく平和を感じる声で笑い、相好を崩す紘が壺から抜け出すまで何も手を加えずに、何も突っ込みもせずに黙って待ちながら、好きと言われた部分を褒め言葉として素直に受け取っていいのか少しばかり悩んだ。言葉をオブラートに包めないのはあまり良いとは言えないんじゃないかと思うが、紘にとって俺のその性格は好感が持てるらしい。ひとまず前向きに捉えておくことにする。
「はぁ、笑った笑った」
「笑いすぎだろ。何が面白いのか俺にはちっとも分からない」
「瞬だよ。瞬があまりにも面白くて」
「笑わそうとしてるつもりはない」
「そのつもりがないから余計面白いんだよ。それにしても、本当に誰が瞬のこと好きなんだろうな。瞬は心当たりとかねぇの?」
俺が誰かに好かれたことでフォークになったと考えている紘は、指摘されるまで女子の熱視線にすら気づけなかった俺に難題を持ちかけてくる。俺の顔ファンがほとんどだという女子の中から、俺に恋愛感情を抱いている人を見つけるのは困難なのではないか。何も気づけない俺に心当たりなどあるわけがないし、少し気になる甘い匂いを漂わせている人、すなわちケーキの可能性がある人は、女子ではなく男子だ。
その男子がケーキだからといって、俺に好意を抱いているとは限らない。そもそも恋愛が原因とも限らない。その確率が高いだけの話だ。それなら何が理由なのかと問われれば、返答に窮してしまうが。
どことなく平和を感じる声で笑い、相好を崩す紘が壺から抜け出すまで何も手を加えずに、何も突っ込みもせずに黙って待ちながら、好きと言われた部分を褒め言葉として素直に受け取っていいのか少しばかり悩んだ。言葉をオブラートに包めないのはあまり良いとは言えないんじゃないかと思うが、紘にとって俺のその性格は好感が持てるらしい。ひとまず前向きに捉えておくことにする。
「はぁ、笑った笑った」
「笑いすぎだろ。何が面白いのか俺にはちっとも分からない」
「瞬だよ。瞬があまりにも面白くて」
「笑わそうとしてるつもりはない」
「そのつもりがないから余計面白いんだよ。それにしても、本当に誰が瞬のこと好きなんだろうな。瞬は心当たりとかねぇの?」
俺が誰かに好かれたことでフォークになったと考えている紘は、指摘されるまで女子の熱視線にすら気づけなかった俺に難題を持ちかけてくる。俺の顔ファンがほとんどだという女子の中から、俺に恋愛感情を抱いている人を見つけるのは困難なのではないか。何も気づけない俺に心当たりなどあるわけがないし、少し気になる甘い匂いを漂わせている人、すなわちケーキの可能性がある人は、女子ではなく男子だ。
その男子がケーキだからといって、俺に好意を抱いているとは限らない。そもそも恋愛が原因とも限らない。その確率が高いだけの話だ。それなら何が理由なのかと問われれば、返答に窮してしまうが。



