キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ

「え……?」

「十年越しにお前の笑った顔を見た。俺のやり方は間違っていたかもしれないが、それでも――

小さなお前を守りたいという思いは本物だった」


すまなかった――と。

お兄さまが私に謝った、

その時だった。


「そろそろお別れの挨拶は済んだかなー?」


一気に男たちが目の前まで詰め寄って来る。

動きが速すぎて見えなかった男たちに呆気に取られる。

だけど、いち早く反応したお兄さまが「行け!」と私を強く押した。


ドサッ


下がコンクリートだったため飛ばされた後も、少しの間、地面を滑った。

すると私の近くに、出入り口の扉が見える。


「ここから出れば……、だけどっ」


お兄さまは二人の男を相手に、防戦一方で戦っていた。

相手はナイフを持っていて、致命傷にはならないものの、お兄さまの体にどんどんかすり傷が入っていく。


「おにいさ――」


お兄さま!と呼ぼうとした、その時。

私の口を誰かが覆った。