待ちに…それほども待ってない、んーちょっとだけ待ってたかな?好きじゃない運動も楽しみだなってちょっとだけ待ってた本日は体育祭です!

いつもは下ろしてるストレートの髪も2つに結んでやる気だって見せてる!

でもやっぱり待ってなかったかもしれないって、朝からすでに気分はブルーだよ。

「やる気でねぇな」

「………。」

どうして?どうして体育祭始まったばかりで出て来てるの?

全校生徒が集まったグラウンドを見ながらポリポリと首を搔いている。やる気ないなら引っ込んでてくれたらいいのに。

…って私が言ってどうにもならないだよね、全然聞いてくれないもんね。もういいもん、体育祭実行委員の仕事しに行くもん。

何も声をかけずその場から離れようとくるっと方向転換した。

「紫衣!」

クイッと腕を引っ張られ足が止まる。

「これ」

「え…何これ?」

引っ張られた手の上にハチマキを乗せられた。


ハチマキ…?


「交換、するんだろ」

“ねぇねぇ、体育祭ん時ハチマキ交換しよ!”

運動が苦手な私を応援してくれるみたいに彗くんが言った。だからいつもは嫌だった体育祭もちょっとだけ楽しみだったの、でも…

「これは彗くんと約束したやつだから!」

彗くんじゃない相手では意味がない。

グッと突き返した。

「彗の記憶では体育祭やってから」

「…………はぁ?」

長めに間を持っちゃった、そんな常識語ってますみたいな顔でめちゃくちゃなこと言わないでよ。

そんな簡単に記憶操作のこと受け入れられないんだよ、こっちは。

「まぁ交換したとこで運動出来るようになるわけねぇけどな」

そんでもってめちゃくちゃむかつくし!

ハッ、て息吐いて今絶対バカにしたよね!?