パブリックダーリン~私と彼と彼氏~

「し、知ってるって…?」

ドッ、ドッ、と心臓が音を出してぎゅぅっと握られてるみたいだった。

な、何を言われるんだろう…っ


「紫衣は目を開けて寝る」


「わぁぁぁーーーー!!!?」

思ってもみなかったことに大きな声で叫んじゃった。また怒られちゃう。

「な、なんで…!?なっ、知ってるの!?」

誰にも言ったことないのに!
私だって自分で見たことないのに!

てゆーか彗くんにだって言ったことないのに!!

「学校で昼寝してる時、“彗”が見たから」

「あぁぁぁーーーっ」

み、見られてたんだ…!?

うわーーーっ

お昼休みご飯食べたら眠くなっちゃってうっかり彗くんの隣で寝ちゃったけど、見られてないと思ってた!

だって彗くん何も言わないから!何も…っ

「おもしれー顔してたわ」

「最悪!ほんと最悪!!」

「彗も笑ってたぞ」

「最悪っ!!!」

絶対彗くんに見られたくなかったのに!

今後お泊りとかあったらどうしよう!?って悩んでたのにもうバレちゃってたなんて…!

うわぁって頭を抱えたくなった。

「頭撫でながら目細めちゃってさ」

くすって笑った。

「……。」

え、何それ…?

それは…いい意味にしか聞こえない“笑ってる”なんだけど。

しかもそんな表情、嬉しそうに笑われたらどんな顔していいかわかんないじゃん。