全部をちゃんと理解できたかはすごく怪しいんだけど…
あの日のことを彗くんが覚えてなかった理由はなんとなく…、たぶん。次の日、話が全然通じなかったのはそのせいだったってことだよね。
彗くんの中にもう1人いて彗くんじゃない人がこっちにいる時は彗くんは眠ってる、だからその間の記憶はない…ってどんな感じなんだろう。
しかも彗くんは気付いてないんだよね?
なんで今眠ってるのかも気付いてなければ、自分の中に自分じゃない誰かがいることを。
足を組んだまま煩わしそうに頬杖をついた。そんな姿がどうしても引っかかる。
「彗は何も知らないんだよ」
その言い方は彗くんのことはよくわかってるように聞こえるから。
「でも、あなたは知ってるよね?」
一呼吸置いてゆっくりと私の方を見た。
睨まれた視線にピンッと背筋が伸びる。
え…やばい、変なこと聞いちゃった?
聞かない方がよかったのかな、これ…っ
「……。」
何も言わないまま立ち上がった。みしっと揺れたベッドにバクバクと心臓の音が止まらない。
ちょっと、何か言ってよ!無言の時間が嫌なんだけど!
落ち着かない私の前で背中を向け、もう1人の彗くんはごそごそと何か引き出しの中を探していた。
「うわっ、もうねぇじゃねーか!」
探していたものがなかったみたいで、苛立つような声を出しながらバンッと強めに引き出しを戻した。
その音にもぶるって体が震えちゃった。
やっぱ変なこと聞いちゃったんだ…!
何探してたんだろ?ロープとかナイフとか!?変な妄想しか出て来ないよ!?
あの日のことを彗くんが覚えてなかった理由はなんとなく…、たぶん。次の日、話が全然通じなかったのはそのせいだったってことだよね。
彗くんの中にもう1人いて彗くんじゃない人がこっちにいる時は彗くんは眠ってる、だからその間の記憶はない…ってどんな感じなんだろう。
しかも彗くんは気付いてないんだよね?
なんで今眠ってるのかも気付いてなければ、自分の中に自分じゃない誰かがいることを。
足を組んだまま煩わしそうに頬杖をついた。そんな姿がどうしても引っかかる。
「彗は何も知らないんだよ」
その言い方は彗くんのことはよくわかってるように聞こえるから。
「でも、あなたは知ってるよね?」
一呼吸置いてゆっくりと私の方を見た。
睨まれた視線にピンッと背筋が伸びる。
え…やばい、変なこと聞いちゃった?
聞かない方がよかったのかな、これ…っ
「……。」
何も言わないまま立ち上がった。みしっと揺れたベッドにバクバクと心臓の音が止まらない。
ちょっと、何か言ってよ!無言の時間が嫌なんだけど!
落ち着かない私の前で背中を向け、もう1人の彗くんはごそごそと何か引き出しの中を探していた。
「うわっ、もうねぇじゃねーか!」
探していたものがなかったみたいで、苛立つような声を出しながらバンッと強めに引き出しを戻した。
その音にもぶるって体が震えちゃった。
やっぱ変なこと聞いちゃったんだ…!
何探してたんだろ?ロープとかナイフとか!?変な妄想しか出て来ないよ!?



