あれ、私…


なんで…



どうして彗くんはいないの?



今どこにいるの?



もう帰って来てはくれないの?



一度溢れた涙は止まることを知らなくて、限界ギリギリだったバケツがひっくり返ったみたいに大粒の涙がこぼれた。



考えたくなくて考えないようにしてた。


さみしくなる思いを抱えたくなくて毎日を過ごしてた。



でも一瞬で蘇っちゃったよ。



どうして笑ってるの?


普通に笑って…



違うじゃん、ダメじゃん、彗くんいなにのにどうして笑ってられるの…?



私… 



こんなの彗くんが帰って来てくれるわけがないね。


もう会いたくないって思われちゃってるのかもしれないね。



「紫衣…」

しゃがみ込んで涙を流す私にケイが手を伸ばした。


だけど触れなかった。

触れられなかったんだと思う。




会いたい彗くん、彗くんに会いたい。



彗くんに触れたい、触れられたい。



そんな関係になりたいって思ってたあの日に帰りたい。




会いたいよ彗くん…!