学校一人気者の柏木先輩との噂は流れに流れて、私と付き合ってるから付き合ってたになって最終的には私が振られたまで行き着いた。

なんで私が振られた側なのか気に入らないけど、もっと気に入らないのは…

「小村さんって合コン興味ある?」

「え?」

えっと…、そーいえばまだ名前聞いてないけど美月と同じ部活で夏祭りの時たこ焼きくれた子だ!

「あの私彼氏っ」

「別れたんだよね?」

今から移動教室だから教科書準備しなきゃと思っていたら廊下の窓から呼ばれて言われたのがこれだった。

「別れた…?」

「うん、柏木先輩と!今彼氏いないんだよね?1人足りないんだ、来てもらえない??」

私と彗くんが付き合ってることも噂と一緒にながされちゃったみたいだった。

まだ付き合ってるのに。

「私ね…っ」

「紫衣彼氏いるから行くわけないよ」

スッと美月が割って入って来てくれた。

「え、小村さんまだ柏木先輩と付き合ってるの?」

「柏木先輩とは付き合ってない、でも紫衣には他に彼氏がいるから」

「そうなの!?」

「そうなの!だから行かないよ」

驚いた顔で見られたから笑って返してみたけど、あれだこれは仕方なく笑ったみたいになっちゃった。

「だから帰った、帰った!うちら今から音楽室行かなきゃなの!」

「え~、じゃあやっぱ美月来てよ~!美月が来てくれたら解決なんだよ~!」

「えー、やだよめんどいし」

「来てよ~~~!」

「行かない!」

ぐいぐいと背中を押され美月に無理矢理帰らされるも全然帰りたくなさそうで足取りはだいぶ重く、美月が隣のクラスまで送って行ってた。

全然行ってくれる人いないんだな…

あ、音楽の準備途中だった!