そんなこと自分が言えたことではないが·····と。


自分の方が今よっぽど辛くて、寂しくて、怖いだろうに、桃子はそんな中でも、人の心配をする。

優しい子だ。

そんな子を·····傷つけて·····泣くことも笑うことも許さず、虐待ばかりしてきたなんて。


許さない。


もっと子供らしくいていい。

自分のしたいように、思うようにやっていい。


無理に大人の階段を登ろうとしないでいい。


·····桃子をここに連れてきて本当によかったのだろうか·····。

自分の償いのために桃子には幸せになって欲しいと自分のエゴで桃子に色々押し付けているのでは無いか。

極道の俺たちに桃子を関わらせるのは間違いだったのではいか。


今までこんなことは無かったのに。
あの時の俺は冷静な判断が出来ていなかったのかもしれない。