黒神は迷うことなく軽々と桃子を抱っこする。


「まだ眠いのか?」


先ほどとはうって変わってすごい柔らかい優しい声で桃子に声をかけながら歩き出す。


「んーー」


微笑みを浮かべ、黒神は片手で桃子を抱っこしながらほっぺたを撫でる。

青葉は1人取り残される。


桃子はやっとちゃんと起きたが、先程のことは全く覚えていないらしい。


本当に無意識なのだろう。

 
それからというもの抱っこする時は黒神に見つからないように、こっそりやるようになった青葉。


実は他の2人も同じような目に遭い青葉と同じことを思っていた、とか。


『抱っこする時は黒神に見つからないようにこっそりと·····。』