4時間の授業を終えて、Verbrechen(フェアブレッヒェン)が昼食に入ったあと、私は見張りを他の生徒に任せて財前(ざいぜん)先輩に声をかけに行った。




「財前先輩、すこしよろしいですか?」


「どうした?」


「108番のことで…」




 先に休憩に入って、昼食を摂りに行くところだった財前先輩は、廊下で足を止めて私を見る。

 私は財前先輩に近づいて午前中にあったことをはなした。




「他のVerbrechen(フェアブレッヒェン)生に“キング”と呼ばれていたり、気を遣われていたり…彼の言葉に全員が従ったりと、上下関係が構築されつつあります」


「ふむ…昨日の日誌でも似たようなことが書いてあったな。108番はうまく溶けこんでいるようだと」




 そうだった、生徒会長は毎日業務日誌に目を通してるんだっけ。