大門(だいもん)雷牙(らいが)視点―


 昼間にVerbrechen(フェアブレッヒェン)のやつから受け取った、“赤城(あかぎ)会”からの手紙を読む。

 景依(けい)にはじいさんから勘当されたとうそをついたが、家との交流は絶えていない。

 まぁ、Verbrechen(フェアブレッヒェン)の居場所を吐いたことでは怒られたが、じいさんたちもじいさんたちで、手駒の調教はそこそこ進めていたらしい。


 日本一のヤクザってのはすえおそろしいもんだ。

 …なんて、使える身内としか思ってねぇけど。



 赤城会とつながってれば、たいていのことは思いどおりにできる。

 いままでとちがって、細い糸を1本残してあるだけだが…保険にはじゅうぶん。


 景依にはバレなきゃいい。一生だまし続けて、俺のそばにいさせてやる。




雷牙(らいが)


「お、景依。1人か?」