雷牙(らいが)の裁判が終わったあと、私は学園を不在にしていることが多い学園長の代わりとして、財前(ざいぜん)先輩に会いにきた。




「財前先輩。罰を受けにきました」




 記憶がもどって、雷牙と一緒に警察署に行ったあと、私は学園の情報をもらしたことを学園に自己申告した。

 でも、雷牙の裁判が終わるまで罰を与えるのは待って欲しいと願い出て、今日に至る。

 財前先輩はデスクにひじをついて両手を組み、紫色の瞳で私を見た。




「これから言うことは、職員会議によって出た結果だ。…藤枝(ふじえだ)に、罰は下さない」


「えっ…」


「藤枝は被害者であり、罪はないと結論が出た。今回の件で、生徒を守る必要性が浮上し、運営、警備体制の見直しをおこなうこととなった。以上だ」


「そんな、でもっ」