じいさんは目を伏せながら笑った。

 ま、わかりきってた結果だな。




「交渉成立、か?じゃあ、トリガーを教えてもらおうか」


〈あれを担当した者をあとで送ってやろう〉


「上等。そんじゃあな、じいさん」


〈ん?待て、まだはなしは終わって――〉




 とん、と画面をタップして通話を切る。

 俺はソファーの背もたれに体をあずけながら、天井を見上げた。




「ぜんぶひっくり返したら…」




 景依はとうとう、俺の手に。

 多少は怒るだろうが、あのちょろさだ、丸めこめる自信がある。


 …あぁ、はやく景依に会いてぇな。