「若、すこしははなしを…!」


「るせぇな」




 ソファーのすきまから昔の相棒を取り出して、ぴーぴーさわぐ野郎のみけんに突きつけた。

 若衆は目を見開いて、額に汗をにじませる。




「俺は飯を食ってんだ。じゃますんな」


「へいっ…!」




 大人しくなったのを見て、くるりとチャカを回しつつソファーのすきまにもどすと、テーブルに置いてたスマホが鳴った。

 俺はバーガーを食いながら、応答にスライドする。




雷牙(らいが)。私だ〉


「おー、じいさん。どうした?…おい、スマホ立てろ」


「へい!」




 若衆がテーブルの上にスマホを立てて、ビデオ通話が成立するようにしたのを確認して、口のよこについたタレを指で(ぬぐ)った。

 画面に映っているのは、白髪を生やした着物姿のじいさん。