大門(だいもん)雷牙(らいが)視点―




「若、お食事です」


「おう。ちゃんと言ったとおりのもん買ってきたな?」


「へえ」




 赤城(あかぎ)会が所有するかくれ家のひとつで、俺はソファーに座りながらバーガー屋の紙袋を開ける。

 なかから取り出したものにかぶりつくと、ひさしぶりの照り焼きバーガーの味が体に染み渡った。

 昨日も思ったけど、シャバの飯は味が濃いな~。




「若が連れてきたガキどもは、それぞれうちでかくまってます。連中にはほとぼりが冷めるまで、って言ってますが、そのままうちの手駒にする計画です」


「ふーん…ん、うめぇ~」


「…聞いてます?」


「おー、聞いてる聞いてる。んんっ、ポテトもうめぇ~!」




 いいもんだなぁ、シャバの飯は。




「…あの、このあと会長がビデオ通話をかけるそうで…」


「最高にぜいたくだ。たらふく食わねぇとな」