一瞬廊下に出た椎名先生はすぐに戻ってきた。 「泣くな泣くな。そんなに怖い夢でも見たのか?」 肩をポンポンと擦りながら涙を拭いてくれる。 ハエのようにべっとりと耳にこびりつく嫌な声。 ―消えろ― なんでよ。なんでこんなに追いかけてくるの。 「落ち着けよ。また発作出るぞ。」 ぼろぼろと溢れる涙が、椎名先生の白衣にシミを作っていく。