黒峰くん、独占禁止。

 呼び捨てしてくれるならせめて、余裕のある時が良かったよ。

 これで最後だって、だからお別れしたのに。

「……いやだ、よ……っ、くろみね、くんっ……。」

 来てくれるなら今すぐ来て、あの大きな手で痛いくらい抱きしめてほしい。

 大丈夫だって言ってほしいし、好きって言ってほしい。

 もう叶わない願いに、愚かな私はみっともなく縋ってしまう。

 それくらい好きで好きで、離れたくなくて離したくなくて。

「う、ぁ……わたしの、ばか……っ!」

 人がいない事を良い事に、たくさん泣いた。

 叶わない恋への悔しさや自分の馬鹿さ加減、その他にもいろんな事が重なって悲しくなる。

 こうなればいよいよ、私は嶺緒君にまた助けてもらうしかない。

 どう転んだとしても結局、そうなってしまうんだろう。

 私は、生きるのが下手だから。



 保健室に戻ってきた先生は、泣き腫らした私の顔を見て「今日は早退しようか。」と言ってくれた。

 その言葉はありがたく、甘えて頷いてしまう。

 そして先生に心配されつつ、のろのろと学校を出た。