【短】きみがいないと、糖分不足。

 涙がこみあげてきて、すぐに逃げようとした。

 体育祭のあと、学校を休んだみたいに。

 でも、環先輩に腕をひっぱられて、体がうしろにたおれる。


 ぼすっと、背中がやわらかいものに受け止められて、ぎゅ~っとおなかに腕が回された。




「逃げるのはダメ。俺が希色をさけたこと、あった?期待していいから、聞かせて」


「えっ…!」




 たしかに、さけられたことはなかったけど…。

 むしろ、頭なでたり、かわいいって言ってくれたり、学校に行けるように手伝ってくれたり…。


 期待していいって……えっ…!?


 今度は別の意味で、ぶわっと顔が熱くなる。

 そんなことが…あるの??




「希色。いつまで俺を待たせるの」


「ご、ごめんなさいっ…あ、えっと…!」


「ごほうびあげるから、はやく」