「ちゃんとお願いできた?」
「はい、できました」
うなずいておみくじを開くと、大きく書かれていたのは“末吉”の二文字。
うっ、末吉って凶のまえ…?
私の手元をのぞきこんだ環先輩も「うわぁ」と声をもらした。
「…あ、こっちは大吉。これ、あげるよ」
「えっ?」
「交換ね」
自分のおみくじを見た環先輩は、私の手からおみくじを抜き取って交換する。
そんな、環先輩の大吉をもらうなんて…!
「おみくじって、願いごとに対しての答えなんだって。希色、具体的になにお願いしたの?」
「え、えっと…学校に行く勇気と、好きなひとのことをどうどうと好きって言える勇気をくださいって…あと、す、好きなひとと付き合えますようにって…」



