【短】きみがいないと、糖分不足。

 流されるまま連絡先を交換して、友だち一覧に加わった環先輩の名前を、まじまじと見つめる。

 あれもこれも、信じられないことばっかり…。




「学校行って、図書室来るって約束ね。…ふわ~ぁ…希色のそばって眠くなる…」


「えっ、た、環先輩…?」


「なんか、ひさしぶりによく眠れそう…」




 スマホをポケットにしまうと、環先輩はあくびをしてテーブルに寝そべった。

 寝つきの良さは折り紙付きの環先輩。

 すぐに、「すぅ…すぅ…」と寝息が聞こえてきて。


 きれいな寝顔を見ながら、私は耳のうしろに手を伸ばした。

 丸いおだんご。

 くずそうと思ったのだけど、これを作ったのが環先輩だと思うと、なんだかもったいなくて。


 テーブルの上に手をもどしながら、私は眠る環先輩を横目に、本を読み続けることにした。