【短】きみがいないと、糖分不足。

 た、助かった…。

 …けど。これはこれで、ドキドキする…っ。

 環先輩の視線、私に向いてるんだもの…!




「髪、アップにしてみよっか。うしろ向いてて」




 こくこくとうなずいて、イスの上で体の向きを変えた。

 髪がほどかれて、今度は下からすべての髪をすくい取られる。

 首元でごそごそするうごきが肌で感じ取れて、そわそわと落ちつかなかった。


 環先輩の視線からは逃げられたけど、ドキドキするの止まらない…っ。




「ん~…ピンないとやりづらい。でもいっか、すぐほどくし」




 のんびりした声を聞きながら、環先輩ってなんでこんなに距離が近いんだろう、と熱い頬に手を当てた。


 頭なでたりするの、ふつうなのかな?

 他の子にもしてたら、やだなぁ…。

 さっき頭をかかえられたの、なんだったんだろう…。