「…ダメ?女の子ってむずかしーなぁ…」
ぶつぶつとつぶやく環先輩の声が右から左に流れていくくらいには、いま、なにも頭に入らない。
もっと前髪がながければ、まっかになった顔もかくせたのに。
だって、だって。
環先輩に“かわいい”って言われて、へいきでいられるはずがないじゃない…っ!
「希色、チョコもうひとつちょうだい?」
「はっ、はいっ…!」
言われるまま、かばんからチョコを取り出して、環先輩にさしあげる。
流れるようにチョコをもうひとつ食べた環先輩は、もぐもぐと目をつむった。
私はチョコの子、私はチョコの子…っ。
「…わかった」
「えっ…!?」
な、なにが…っ!?
ぶつぶつとつぶやく環先輩の声が右から左に流れていくくらいには、いま、なにも頭に入らない。
もっと前髪がながければ、まっかになった顔もかくせたのに。
だって、だって。
環先輩に“かわいい”って言われて、へいきでいられるはずがないじゃない…っ!
「希色、チョコもうひとつちょうだい?」
「はっ、はいっ…!」
言われるまま、かばんからチョコを取り出して、環先輩にさしあげる。
流れるようにチョコをもうひとつ食べた環先輩は、もぐもぐと目をつむった。
私はチョコの子、私はチョコの子…っ。
「…わかった」
「えっ…!?」
な、なにが…っ!?



