【短】きみがいないと、糖分不足。

「どうして?」


「そ、その…っ」




 言いよどんでも、やわらかい視線にそっと言葉が誘い出されてしまう。




「クラスでいちばんかわいい子と、好きなひとがおなじなの、バレちゃって…」


「…」




 環先輩はぱちり、ぱちりとまばたきをした。




「それで、行きづらくなっちゃったの?…なんで?」


「だ、だって、私はその子みたいにかわいくないしっ、好きなひとがおなじなんて、分不相応だし、勝てるわけないし…」




 私、なんでこんなこと、当事者である環先輩にはなしてるんだろう…。

 はなすつもりなんてなかったのに、環先輩にあんな聞き方されたら、ぜんぜん断れなくて…。


 はずかしい、と思ったら自然と視線が下がっていた。