「怒られないように、問題当てられてもいっつも正解出してるもん。数学得意でよかったって思ったの、初めて」
「そうなんですね…それは、なんというか…お疲れさまです。…あ、チョコ食べます?」
そういえば図書館へ来るまえにコンビニでチョコを買ったばかりだった、と思い出して、かばんをあさる。
ここは飲食できるスペースだし…。
箱の封を開けて、個包装のチョコをひとつ環先輩に手渡すと、疲れた顔がふにゃりと、笑顔に変わった。
「きみ、やっぱり好き。ありがとね」
「えっ…!」
じゅわっと、頬が熱くなる。
そんな私にかまうことなく、環先輩は封を破ってチョコを口に入れると、満足そうに目をつむった。
「ん~…それで、なんのはなしだっけ?」
「え、えっと…っ」