「じゃ、俺と立栞先輩でクレープ生地準備しとくんで、千歳先輩たちは中身の方、買い出しお願いしまーす。あ!史緒先輩、甘いのばっかりじゃなくてちゃんとご飯系も買ってきてくださいよ!!」
「琥太郎に言われなくても、そんくらいわかってるつーの。ほら、千歳行くぞ!」
「……ハァ」
「お兄ちゃん、立栞さん!私がちゃんと千歳さんと史緒さんについていくから大丈夫だよ」
「杏花、頼むな」
「気をつけて行ってきてね〜」
史緒くんに引きずられるように連れて行かれる千歳の後ろ姿を見つめ、私は小さく手を振る。
しっかり者の杏花ちゃんがついて行ってくれるなら、心配はないだろうけど。
「いってきまーす」
最後に杏花ちゃんがそう告げてパタンとアパートのドアを閉めた。
バタバタと慌ただしく、階段を下りる足音がだんだんと遠ざかっていく。
そして、足音が聞こえなくなった頃。
「じゃ、立栞先輩。とりあえず生地作っちゃいますか。材料準備するんで、小麦粉の分量測ってもらってていいですか?」
琥太郎くんがテキパキと必要な材料を棚や冷蔵庫から取り出しながら、私に向かって声をかける。
「了解……!まかせて」
私もコクリと頷き、彼の指示に従って、小麦粉の計量を始めた。



