「ただいま〜」
私が階段を上ってきたタイミングを見計らって、部屋のドアをガチャと開けた杏花ちゃん。
私も彼女に続いておそるおそるアパート内に足を踏み入れる。
すると、奥の部屋の方から……。
「どうします!?立栞先輩からの連絡途絶えたんすけど……!?」
「アイツ、どっかで迷ってんじゃないの?」
「……俺、ちょっと周り探してくる」
「千歳先輩……!俺もいっしょに行きますよ」
そんな会話に私は杏花ちゃんと、顔を合わせて苦笑いを浮かべる。
そういえば、杏花ちゃんと出会えたことに安心して、しばらくスマホをみていなかった。
バタバタと慌てている彼らは、杏花ちゃんが帰ってきたことにも気づいてないらしい。
「全く……。もう!ちょっと、お兄ちゃんたち!」
そんな様子を見かねた杏花ちゃんが勢いよく部屋のドアを開けた。
「あれ?杏花、おかえり……って!何で立栞先輩もいるんすか!?」
最初に目があったのは、部屋の出口付近にいた琥太郎くん。続いて千歳、史緒くんとも視線がからむ。
「立栞?」
「あはは……。お疲れ様〜。たまたま杏花ちゃんと道でバッタリ会ってね。連れてきてもらったの」
驚く彼らをよそに、私はことの経緯を簡単に説明し始めた。



