「まぁまぁ…!もちろんよ、西藤さん。あなたなら行ってくれると思っていたわ〜。じゃあ、早速日取りを決めましょうね?詳細は明日にでも通達しますから、待っていてちょうだい。大まかな話はすんだことですし、この話はとりあえずここまでで。皆さん、教室に戻ってちょうだいな。峰、皆さんをお送りして?」

ふふん♪とご機嫌な様子の理事長は鼻歌まじりに秘書の峰さんに声をかける。

「かしこまりました。それでは、皆様もこちらにどうぞ」

峰さんに出口まで案内され、最後に「しつれいしました」と軽く会釈をした私達は理事長室をあとにして今に至るー…。





「いくら立栞会長でも1人でだなんて…。や、やっぱり私もお供を…!」

「美心、気持ちはすっごく嬉しいけど…男子が苦手なあなたを連れて行くわけにはいかないわ。それに、有紗も。スポーツで特待生なんだから黒涼高校に通えば部活に影響が出てしまうでしょう?」

「立栞…」

「私は大丈夫。それなりに鍛えてるし、いざとなれば男子の数人倒せるって!」

私の特技は、合気道。こう見えても黒帯保有者だ。

「確かに…私じゃ、会長の足を引っ張ってしまいそうです…」

「立栞、ごめんなさい。何かあればすぐに駆けつけるから連絡してね」

渋々と承諾する2人に向かって「ありがとう。しばらく頑張ってみる」と声をかける私。