気づけば、ポロッと本音がこぼれていた。
親戚に年の近い男の子が1人いるけれど、本当の弟じゃないし。実際に、小さい頃は兄弟に憧れてた時期があったことを思い出す。
その時。
「はいはい。琥太郎の妹自慢はそこまで!とりあえず、チャチャッと2人でメニュー考えちゃってよ。俺はオシャレで可愛いやつ希望!あと、美味しいやつね」
バサッと私達の話をぶった切って、難しい注文をしてくる史緒くん。
つまり、完璧なメニューを求めているらしい…。
無理難題な注文に、あはは…と私が苦笑いを浮かべていると。
「じゃあ、俺も…」
「千歳はだめだよ。料理が壊滅的にできないんだからジャマになるだけだし」
「……チッ」
ニコッと素適な笑顔で伊緒くんが、千歳をけん制する。
小さく舌打ちをする千歳の様子が気になったが、彼が反論しないところを見ると、本当にそうなのだろう。
「じゃあ、琥太郎くん。頑張ってカフェに合うメニュー考えよう」
「はいっ!立栞先輩…!」
せっかく参加するんだし。私も黒涼祭、楽しまないと損だよね。
やる気に満ち溢れた琥太郎くんの返事につられ、私も気合を入れ直したのだったーー。