「今年は、何を準備してるんだろうね。伊緒、何か聞いてる?」
「いや?美千子さんが事前に教えてくれるわけないでしょ。あの人、サプライズ好きだし」
「だよねぇ」と伊緒くんの言葉に同意した史緒くんは、頬杖をついて小さくため息をこぼした。
「俺は今年も学食3ヶ月食べ放題券でいいんすけどね〜」
「とりあえず、今年のお題次第だけど、発表は黒涼祭の前日だから正直なんの対策もとれないんだよな」
サラッと琥太郎くんの言葉をスルーした千歳が、腕組みをしながら呟く。
「あぁ、こればっかりは生徒会といえど、公平を期するためにヒミツにされるし」
伊緒くんも千歳の言葉にコクコクと首を縦に振った。
「千歳先輩、伊緒先輩……。いくら俺でも完全な無視は傷つきますって……」
肩を落とす琥太郎くんを横目に、今度は史緒くんが口をひらく。
「琥太郎ドンマイ。ま、とにかく2日目の競技は、今までの傾向から考えるしかないよね〜」



